インサイドセールスって将来性どうなんだろう?
インサイドセールのキャリアパスってどうなんだろう?
- インサイドセールスへの転職を検討しているけど将来性に不安を感じている人
- インサイドセールスのキャリアパスとしてどんな選択肢があるか知りたい人
この記事では、下記3点を中心にインサイドセールスについて解説していきます。
- インサイドセールスの将来性
- インサイドセールスで身に付くスキル
- インサイドセールスのキャリアパス
この記事を通じて、インサイドセールスへの理解を深め、インサイドセールスに挑戦する一歩を踏み出すきっかけになれば嬉しいです。
インサイドセールスとは?
インサイドセールスは、「内勤型営業」とも呼ばれています。
主に電話やメールなど非対面で顧客とコミュニケーションを取る営業です。
代表的なな仕事としては下記のようなものがあります。
- 問い合わせ対応
- ウェブサイトのフォームやセミナーの参加者からの問い合わせにすばやく対応し、興味を持ってくれた人に製品やサービスの情報を提供。
- 既存コンタクトへのアプローチ
- CRM(顧客管理システム)に登録されている顧客や見込み客の情報をもとに、電話やメールでアプローチ
- Leadの評価と優先順位付け
- 新しいリード(製品やサービスに興味を持っている、または興味を持つ可能性のある見込み客)の関心度や購買意欲を評価し、どのリードに優先的にアプローチするかを決定。
- 定期的なフォローアップ
- 定期的にフォローアップを行い、見込み客の関心を高め、信頼関係を構築。
最終的にはお客様の課題を把握し、自社製品に興味を持たせて見込み客を育て
フィールドセールスに引き継ぐのが役割です。
テレアポと混同されますが、テレアポはアポ獲得がゴールですが、インサイドセールスのゴールは「見込み客を育成することです。
インサイドセールスの種類
インサイドセールスはアプローチ方法などにより、さらに二つのポジションに分かれます。
- SDR(反響型インバウンド)
- BDR(新規開拓型アウトバウンド)
大手企業だと、SDRとBDRを明確に分けているケースが多いです。
スタートアップだと、明確に分けず一人のインサイドセールスが両方の役割を担っているケースが多いです。
SDRとBDRの違い
SDR | BDR | |
---|---|---|
営業手法 | 反響型インバウンド | 新規開拓型アウトバウンド |
役割 | 問い合わせやセミナー展示会参加者への営業アプローチ | ターゲット企業への新規開拓営業 |
担当顧客規模 | 中小企業〜中堅企業 | 大企業 |
求めれれるスキル | ヒアリング力 マルチタスク力 ヒアリング力 | 課題把握力 興味喚起力 コミュニケーション力 |
営業難易度 | 比較的低い | 比較的高い |
役割
SDR(Sales Development Representative)は、顧客からの問い合わせを受けて対応します。
反響型インバウンドとも呼ばれ、Webフォームからの資料問い合わせ、展示会やイベントの参加者で自社のプロダクトに興味がありそうな顧客に対して、メールや電話でアプローチし、見込み客を育てて、フィールドセールスにトスアップします。
BDR(Business Development Representative)は、自ら顧客にアプローチをします。
新規開拓型アウトバウンドとも呼ばれ、salesforceなどに蓄積されている情報をもとに、顧客の課題を仮説立てて、メールや電話でアプローチし、見込み客を育てて、フィールドセールスにトスアップします。
SDRは既に自社製品に関心を持っている顧客や顧客の課題をある程度把握している顧客にアプローチします。
一方で、BDRは仮説を立て、顧客の課題を特定し、製品への関心を喚起するところから始める点で、両者のアプローチには大きな違いがあります。
担当顧客規模
SDR
主に中小から中堅企業を対象とします。
企業数は多く存在しますが、案件の規模は比較的小さいため、効率的なアプローチが重要です。
そのため、SDRがこのセグメントを担当します。
BDR
主に大企業を対象とします。
案件の規模が大きくなり受注難易度も上がるため、一社ごと個別のアプローチ戦略が必要になります。
大企業の場合、セミナーや展示会での情報収集が難しく、決裁権を持つ人物へ戦略的なアプローチが必要になるため、BDRがこのセグメントを担当します。
求められるスキル
SDR
顧客の課題をある程度理解している状態からスタートすることが多いため、事前に把握した課題とのズレを確認するための正確な「ヒアリング力」が求められます。
また、多くの問い合わせに迅速に対応する必要があるため、「スピード」と「マルチタスク能力」も求められます。
BDR
顧客が自社製品に関して未だ興味を持っていない、課題が不明な状態からアプローチをする必要があります。
そのため、顧客のウェブサイトや同業界の課題分析を通じて、顧客の「課題を仮説立て」することが必要です。
加えて、顧客の興味を引き、「自社の製品に対する関心を喚起する」戦略的なアプローチも求められます。
BDRは顧客からの問い合わせを受けるて対応することが少ないため、「高いコミュニケーション能力」も求められます。
インサイドセールスのKPI
インサイドセールスでの成果指標(KPI)は、企業の成長段階や目標に応じて異なることが多いです。
ただし、一般的に多いKPIは「フィールドセールスへパスした有効商談数」です。
有効な商談とは、企業によって定義が異なりますが、多くの場合、顧客との会話で、Budget (予算の有無)、Authority (決裁ルート)、Need (ニーズ)、Timeframe (導入時期)、Competition (競合情報)のBANTCを確認できた商談が該当します。
この指標は、インサイドセールスが質の高い商談をいかに効果的にフィールドセールスに引き継げるかを測る重要な尺度となります。
インサイドセールスの将来性
インサイドセールスの将来性に関して、不安を感じている人もいると思いますが、実際のところ将来性はどうなのでしょうか。
結論から申し上げると、インサイドセールスの需要は増加傾向にあり、今後もその需要は高まり続けると予想されるので、将来性は十分に高いと言えます。
インサイドセールスの求人は3年8ヶ月で約18倍に増加!
転職サービス「doda」の調査によると、これからの時代に需要が高まると予想される「インサイドセールス」や「カスタマーサクセス」といった新しい時代に求められる営業職の求人数が増加し、2019年1月から22年9月で求人数が18倍に増加したと言います。
インサイドセールスの需要増加には、新型コロナウイルス感染症の流行が大きく影響しています。
感染拡大によって対面での商談や顧客訪問が難しくなった結果、対面を必要としないインサイドセールスがより注目されるようになりました。
現在、オフィス回帰の動きが見られる中でも、インサイドセールスの求人数が増加し続けていることから、このトレンドは今後も続くでしょう。
実際に、グーグルトレンドのデータを見ても、新型コロナウイルスの感染拡大時期から現在(2024年3月)にかけて、インサイドセールスに対する需要が高まっていることが確認できます。
また、「doda」の同調査によると、企業側のインサイドセールスに対する興味は非常に高く、82%の企業がインサイドセールスに興味を持っていると回答しています。
これは、インサイドセールスが企業にとって重要な営業戦略であることを示しています。
さらに、HubSpot Japanの調査によれば、日本企業のインサイドセールスの導入率は2019年の11.6%(出典:日本の営業に関する意識・実態調査 )から2020年には37.4%(出典:日本の営業に関する意識・実態調査 )に増加しており、わずか1年間でその導入率が大幅に伸びています。
インサイドセールスの効果を多くの企業が認識し、積極的に取り入れていることを物語っています。
この傾向は、今後もインサイドセールスの需要が増加し続けることを示唆しており、インサイドセールスの将来性には十分な可能性があると言えます。
インサイドセールスで身につけられるスキル
インサイドセールスで身につけられる代表的なスキルを5つ紹介します。
- マルチタスクスキル
- コミュニケーション能力
- ヒアリングスキル
- 課題把握スキル
- データ分析スキル
マルチタスクスキル
インサイドセールスでは、日々多数の問い合わせへの対応や、同時に複数の案件を前進させることが求められます。
このような環境で働くことにより、効率的にタスクを管理し、優先順位をつけて作業を進めるマルチタスク能力が自然に身につきます。
コミュニケーションスキル
インサイドセールスは、直接顔を合わせることなく電話でのコミュニケーションが主となるため、声のトーンや話し方の工夫が重要です。
相手に不快感を与えず、限られた時間内で顧客の課題を的確に把握し、声だけで自社製品やサービスのイメージを相手に伝える必要があります。
これにより、インサイドセールス担当者は多様な顧客との電話対応を通じて、コミュニケーションスキルを磨くことができます。
ヒアリングスキル
インサイドセールスはフィールドセールスのクロージング確度を高めるために、BANTCなどの様々な情報をヒアリングする必要があります。
フィールドセールスが顧客との商談の際にインサイドセールスが収集した情報に基づいてアプローチできれば、商談の成功率を大きく高めることができます。
しかし、事前にヒアリングした内容と実際の商談内容に相違がある場合、不必要な時間を費やして再ヒアリングを行うことになりかねません。
そのため、インサイドセールスは正確なヒアリング技術を磨くことが不可欠であり、この過程でヒアリングスキルを身につけることができます。
課題把握スキル
インサイドセールス(特にBDR)は、顧客のウェブサイトや業界のトレンドを調べて、顧客が直面している問題を仮説立て、その仮説をもとに顧客にアプローチし、実際に顧客が抱える課題を掘り下げる場面が多数あります。
この過程で、顧客の課題を深く理解し、解決策を提案するスキルが自然に身につきます。
データ分析スキル
インサイドセールスにおける情報分析スキルは、顧客接点の最適化や効率的な営業戦略の策定に不可欠です。
例えば、
- 特定の業界に対して、過去の成功事例が特に効果的だったというデータから、類似の業界の顧客へアプローチする際に同様の事例を用いる。
- 業界ごとのコミュニケーション傾向を分析し、午前中に連絡がつきやすい業界には積極的に午前中にアプローチを行う。逆に午後に不在がちな業界には、別の時間帯での連絡を計画する。
- アプローチ数とフィールドセールスへの有効パス数を分析し、必要なアプローチ数を算出することで、KPI達成に向けた計画を立てる。
といったように、さまざまな観点で分析を求められる機会があります。
これらの分析を通じて、量だけでなく質の面でも営業活動を最適化し、効率的かつ効果的なアプローチを目指します。
データ分析スキルは、インサイドセールスが顧客への深い理解と戦略的な営業計画を実現するための鍵となります。
インサイドセールスは営業未経験やIT業界未経験でもチャレンジ可能
インサイドセールスは「営業未経験者」や「IT業界未経験者」にもおすすめのポジションです。
外資系企業など即戦力を求める場合、フィールドセールスへの採用は営業経験がある人向けですが、インサイドセールスでは未経験でもチャレンジしやすいです。
インサイドセールスでは、プロダクトに関する深い知識を初めから完璧に把握する必要はなく、重要なポイントを理解していれば良いため、営業の基礎からIT業界の知識まで、実務を通じて徐々に学び深めていける点も大きな魅力です。
インサイドセールスのキャリアパス
インサイドセールスの代表的なキャリアパスとして、「インサイドセールスマネジャー」、「フィールドセールス」、「カスタマーサクセス」の3つを紹介します。
インサイドセールスマネジャー
インサイドセールスとしての実績を積むことで、チームメンバーをまとめるマネジャーとして、チームメンバーの指導、案件の管理や戦略の立案などができるようになります。
フィールドセールス
インサイドセールスで身につけた、課題把握やデータ分析スキルをベースに、フィールドセールスでも十分活躍が可能です。
企業によっては、インサイドセールスのステップアップ先としてフィールドセールスを位置づけキャリア提示する場合もあります。
また、外資系SaaS企業のインサイドセールスの給与がOTEで約500万〜900万円程度のため、年収1000万円を目指すにはハイパフォーマーやマネジャーレベルに達する必要があります。
しかし、フィールドセールスでは、20代で年収1000万円、30代で年収2000万円を稼ぐことも珍しくなく、より高収入を目指すキャリアパスとしておすすめです。
カスタマーサクセス
カスタマーサクセスは、顧客が自社製品を積極的に利用し、顧客の課題解決を支援するのが役割です。
このプロセスを通じて、製品へのエンゲージメントを高め、顧客に継続的な利用や追加購入を促し、取引を拡大させることが求められらます。
この役割は運用サポートに留まらず、顧客対応を通じて直接的なフィードバックを収集する機会が豊富にあります。
インサイドセールスで培ったコミュニケーションスキルは、顧客の潜在的なニーズを掘り下げ、長期的な関係構築に大いに役立ちます。
まとめ:インサイドセールスは将来性が十分にある職種
- 求人数の増加や企業における導入率が上昇しており、今後ますます需要が高まることが予測される
- 多様なスキルを身につけることができる
- 豊富なキャリアパス
インサイドセールスは、フィールドセールスと比較すると、日々の仕事がルーティンに感じられるかもしれませんが、実際には需要が増えており、この役割で磨ける多様なスキルが、キャリアアップの幅を広げてくれます。
コミュニケーション能力だけでなく、様々なスキルを身につけるチャンスがあり、キャリアの幅を広げる機会も豊富にあります。
インサイドセールスでの経験は、将来的に他の職種へのステップアップにもつながり、十分に将来性のある選択と言えるでしょう。